2015年2月12日木曜日

小さな女の子やお年寄りが大型犬を散歩させているとドキッとします(恋ではない)。

 今日は動物関係のお話です。
 行政書士としては動物に関係する手続を取り扱いますが、調停人を務める行政書士ADRセンター東京ではペットトラブルを扱っています。
 ここ数年、愛護動物に関する紛争分野の調停人になるための研修で、講師をさせて頂いていることもあり、動物関係法令やペットトラブルについて人前で話す機会がたくさんありました。
 意外に思われるかもしれませんが、動物に関係する法律というのは結構たくさんあり、所管する官庁も多いです。
 一般的には、やはり環境省所管の動物愛護法が一番に思い浮かぶかと思いますが、そもそも動物と人の関わりとしては愛護動物よりも家畜としての歴史のほうが古く、産業動物に対するルールのほうが成り立ちは先になります。
 愛護動物に関する紛争分野の調停人になるために講義で学ぶ法令としては、そういった産業動物に関するものよりもやはり愛護動物、ペットに関わる法令を優先しています。
 動物愛護関係法令と言っても、動物愛護法に限らず、動物愛護法施行令、動物愛護法施行規則、動物愛護条例、動物愛護条例施行規則、動物取扱業者や特定動物に関する各細目、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準を始めとする各基準、住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン、ペットフード安全法、狂犬病予防法、狂犬病予防法施行令、狂犬病予防法施行規則、鳥獣保護法、特定外来生物法、化製場法、消費者契約法、遺失物法などをひと通り学ぶことになります。
 他にも、講義で扱うことはあまりありませんが、獣医師法、獣医療法、医薬品医療機器等法、家畜伝染病予防法、感染症予防法、検疫法、身体障害者補助犬法、種の保存法、生物多様性基本法、自然環境保全法、文化財保護法、と畜場法、などを自主的に見ておいて頂くことをオススメしています。
 個人的には、海の関係の水産資源保護法とか、漁業法なども動物に関する法律という視点から見て興味深いと思っています。
 次に、ペットトラブルという視点から見ると、また違ったフレームで捉えることができます。
 ペットトラブルは一般的に次の5種類に分類されることが多いです。
1.売買等トラブル(ペットショップなど)
2.咬傷事故
3.近隣紛争(鳴き声、臭い、糞尿など)
4.医療事故
5.その他
 以前は裁判になることも稀で、悪質な医療事故などを除くとなかなか動物関係の裁判例は少なかったのですが、最近はかなり増えてきて、新聞やニュースなどでよく事例を目にするようになりました。
 ペットブームということもあり、犬や猫を飼う人も増えてきているので、それに伴ってトラブルも増えているようです。
 マナーはなかなか求めにくいですが、せめてルールは守って飼って頂きたいと思っています。
 そして、大事なことは、飼う人はもちろんのこと、飼わない人にも動物の飼養に関するルールはぜひ知って頂きたいということです。
 例えば、東京都では、ノーリードの犬の散歩は禁止されています。放してよいのはドッグランなど一部の施設に限られています。
 未だ近所でもノーリードの方をたまに見かけますが、咬傷事故等(逆に飼犬が交通事故に遭う可能性もあります)があってからでは遅いので、リードはぜひ着用していただきたいものです。
 もう少し詳しく言うと、「犬を制御できる者」が行う必要があるため、リードをつけていても制御できなければ文言上は条例違反になってしまいます。
 まぁ違反するからダメ、というよりは、事故等の危険を防止するためと考えたいと思いますが、飼主の方はぜひご留意頂ければと思います。
 飼う人も、飼わない人も、お互いに受け入れられる社会になることを願っています。