2015年4月3日金曜日

子どもがインフルエンザで出席停止になる、という初体験

 もうすぐ春休みも終わり、子どもたちも新しい学年になるわけですが、春休み前に学校から皆勤賞を頂いてきました。親としては本当に健康が一番ありがたいと実感しているわけですが、子どももとても喜んでいました。
 というのは、インフルエンザに罹患し、一度出席停止期間があったからです。
 皆勤賞自体は学校独自の任意のものなので、出席停止はカウントされない、ということのようでしたが、子どもがインフルエンザで出席停止になるのは初めての経験でしたので、普段文章で得ている知識を身をもって体験した貴重な機会でした。
 今回は、そのへんのお話です。
 感染症に罹患した児童生徒(あるいは職員も含めて)を治療や休養に専念させたり、感染症の拡大防止をしたりするために、校長には出席を停止させる権限が認められています(学校保健安全法19条)。
 もちろん、この権限が乱用されないように、校長は保護者または生徒などに出席停止の理由と期間を明らかにしなければなりません(同法施行令6条)。さらに、学校の設置者に報告する必要があり(同法施行令7条)、学校の設置者はそれを受けて保健所に連絡することになります。
 また、欠席児童生徒数が多数になり、感染症の予防のために必要があるときは、学校の設置者は臨時に学校の休業を行うことができます(同法20条)。これは「学校の設置者」とありますが、実際には現場の判断として校長に委ねられているようです。
 出席停止の期間については、感染症の種類に応じて基準が定められているのですが、インフルエンザの場合には、「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児の場合には3日)を経過するまで」とされています。
 例えば、月曜に病院に行ってインフルエンザ発症と診断された場合、金曜日まで出席停止が確定します。そして木曜と金曜の朝に熱を計って平熱が確認できたら、次の登校日(例えば月曜日)に出席可能となります。
 我が家の場合は、土曜日がたまたま登校日でしたので、登校することが出来ました。
 気をつけていてもかかってしまう場合はあると思いますが、普段から予防を心がけたいものです。

2015年3月26日木曜日

法教育シンポジウムに参加してまいりました。

 本日は、東京都行政書士会の法教育推進特別委員会が主催する「法教育シンポジウム~つなぐ、つなげる法教育~」に参加してまいりました。
 プログラムは2部制になっており、第1部は「行政書士会の法教育を考える。~法教育をつなぐ~」、第2部は「法教育のその先~法教育からつなげる~」というタイトルでそれぞれ開催されました。
 まず第1部では、冒頭、山賀委員長から東京都行政書士会の取り組む法教育の目指すものに関して説明があり、今年度までの法教育活動についてお話がありました。
 その後、東京都行政書士会各支部の法教育の取組みについて、各支部の担当者から発表が行われました。特に今年度初実施となった港支部及び杉並支部からはまとまったご報告があり、支部の苦労とその先にある可能性について、担当された先生方から熱心にお話を頂きました。
 続く第2部では、基調講演として文化庁文化財部伝統文化課長神代浩様から「困ったときには図書館へ~図書館海援隊の挑戦~」というタイトルで講演を頂きました。
 堅苦しい肩書とは裏腹に、冒頭からFacebook等のための写真撮影大歓迎のメッセージがあり、会場は笑いに包まれた雰囲気となりました。
 第2部の後半ではパネルディスカッションが行われ、「公共図書館における法情報・ビジネス支援情報提供活動について考え、法教育・法情報提供について考える」という内容で、横浜市中央図書館司書吉田倫子様、杏林大学総合政策学部准教授岩隈道洋様からそれぞれ発表があった後、意見交換等のやり取りが行われる時間となりました。
 今日のシンポジウムについては、会務に忙しい中、自分の業務時間がなかなか確保されないため出欠を迷っておりましたが、東京都行政書士会が取り組んでいる他部署の事業に触れることができ、また行政書士の多様性を改めて感じることができたことと、そこから広がる可能性を実感できたことが自分にとっては非常に収穫となり、参加してよかったと感じました。
 ご準備等多くのご苦労があったかと思われますが、関係者の皆様本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

2015年3月24日火曜日

法令上の規定がないにも関わらず、多くの場合渡される春休み前のアレ

 本日は、小学校の修了式でした。明日から子どもたちは春休みです。
 次女は幼稚園のため、一足早く先に春休みに入っています。
 今年度は、二人とも、初めて皆勤賞を頂きました。インフルエンザでの出席停止は欠席にカウントされないようで、子どもたちは喜んでいました。
 親としては健康に育ってくれるだけでありがたいと感じています。
 ちなみに通知表も頂いてきましたが、通知表には法令上の規定がない、というのをご存知でしょうか。通信簿などと呼ばれることもありますが、これは各学校が地域の実態等を踏まえて記載内容や様式等を定めているとされています。
 役割としては、児童生徒の学習状況や普段の様子、行動、性格、健康などについて保護者に連絡したり、新たな学習目標の設定など学習態度の育成に役立てたりするためのものです。
 各学校としては、創意工夫を凝らして、学習意欲の向上や保護者の理解・協力を得るためのツールとして役立てるよう、様式や記載内容について主体的な取り組みが求められていると考えられています。

2015年3月23日月曜日

本人が申請する場合及び法律で定めのある場合を除いて、行政書士だけに認められた独占業務

 本日は朝から埼玉県庁に赴き、朝イチで建設業許可の更新申請をしてまいりました。
 申請期限が迫っておりかなり緊張していましたが、なんとか無事一発クリア!
 今日はゆっくり眠れそうです・・・。
 写真は「禁止板」と私が勝手に呼んでいる注意書きの看板です。行政書士以外の者が手続きを行わないように、という趣旨のもので、東京以外の県では割とよく見かけます。海事の手続きなどでは運輸局にも海事代理士バージョンをよく見かけます。ちなみにコレは埼玉県庁の建設業許可申請を行う窓口に設置されたものです。
 今日は朝からお客さんとお会いし、その後法務局でやはり朝イチで印鑑証明書を取得したりして、早起きでしたので、長い一日となりました。

2015年3月22日日曜日

海外製の犬のリードを輸入して販売する際に踏まえておかなければならないリスク

 先週金曜は、行政書士ADRセンター東京の愛護動物分野の調停人のためのゼミでした。いくつかの判例を題材としたのですが、その中の一つが名古屋高裁平成23年10月13日判決でした。
 一応概要は以前から把握していましたが、改めて見るといろいろと感じ入るところの多い内容でした。
 国民生活センターのウェブサイトにも紹介されていますが、簡単に内容を紹介すると、犬の飼い主が、散歩中突然走りだした飼い犬をリードのブレーキボタンで止めようとしたが、ブレーキが利かず飼い犬の両後ろ足にけがを負ったため、リードの輸入販売会社に対して損害賠償を請求した、という事案です。
 製造物責任法という法律がありまして、これは製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めたものです。
 一般的には被害者側に過失の立証責任が有るところ、普通は過失の証明が困難であるため、損害賠償を得ることが不可能になる場合がある、という問題意識から、製造者の過失を要件とはせずに、製造物に欠陥があったことを要件としたところに意義があると言われています。
 製造した製造者以外にも、輸入業者も製造業者等に含まれるので、この事案の場合にはリードを輸入した会社が被告として訴えられました。
 結論として名古屋高裁では80万円の支払いを命じたわけですが、リードの値段は5000円程度、とのことでしたので、そのほとんどが治療費や慰謝料にあたっているのではないかなと思います。
 輸入販売会社のリスクとして、こういったことも踏まえておかなければならない、ということを改めて認識しました。

2015年3月21日土曜日

顧問・相談役の先生方の身分証明書などは出さなくてもよい扱いになりました。

 年度末ですが、以前も書いたようにこの春は建設業法改正の関係で、建設業を扱っている行政書士にとってはちょっとザワザワした感じになっています。
 先日も、東京都の担当者の方がお越しになり、建設業法改正に関する説明会(研修)が開催されましたが、先着250人の会場がほぼ埋まるくらいの盛会となりました。
 私も一般会員として参加し、お話を伺ってまいりました。
 法改正の趣旨としては、暴力団排除のための改正、というところがメインのようですが、個人情報の保護なども絡み、建設業許可申請に関係する書類の書式などが大幅に変更するのです。
 話題のトピックとしては、会社の役員の方には「登記されていないことの証明書」(個人的には「非登記証明」と呼んでいます)や「身分証明書」(免許証などではなく、こういう名称の書類があります)を提出して頂いているのですが、法律上の文言が「役員等」に変わったことにより、「等」の中に含まれる、会社の顧問や相談役の方の分も提出を必要とするのか、という点がありました。
 これはそもそも、役員には入ってなくても会社の顧問などと称して実質的に支配力を及ぼす人の中に暴力団員がいる場合にこれを排除しようという趣旨であることが説明されましたが、世の中にはおそらく暴力団員ではない顧問や相談役の方のほうが多いのではないかと思われますし、税務顧問や顧問弁護士などの士業の方も少なからず含まれるので、それら全てに「登記されていないことの証明書」や「身分証明書」を取得させて収集するのか(手間も時間もかかる)、という点で業界的にはかなり抵抗があったようでした。
 先日の説明会では、その点についても説明があり、実務の運用としてそれらは求めない、という取り扱いになったとのことでした。
 ただし、顧問・相談役の方の名前はやはり一覧に加え提出し、警察庁の照会はかけるとのことなので、あくまで暴力団排除の趣旨は貫かれているという説明です。
 同時に、閲覧に供される資料から個人情報をできるだけ控える、という方向の書式変更などもあり、暴力団排除のための情報収集と実際は矛盾・衝突してしまうケースも有るのではないか、と話を聴いていて感じました。
 いずれにしても、運用開始後しばらくは落ち着かない期間が続きそうです。

2015年3月20日金曜日

民法に定める7種の遺言の方式のうち、4つのマイナーな遺言について

 昨日に続いて遺言のお話です。
 民法では遺言の方式として7種類のものが定められています。
 そのうち、「公正証書遺言」「秘密証書遺言」「自筆証書遺言」については、一般的なのでそこそこご存じの方も多いのではないでしょうか。
 それに比べて、残りの4つについてはなかなかマイナーな気がしています。その内容からして仕方がないとは思うのですが、海や船の手続を扱う海事代理士としては少し関係することもあり、ちょっと頭に入れておきたい内容です。
 民法では、上記3つの方式以外に、次の4つが定められています。
 1)一般危急時遺言(死亡危急者遺言)
 2)難船危急時遺言(船舶遭難者遺言、難船臨終遺言)
 3)一般隔絶地遺言(伝染病隔離者遺言)
 4)船舶隔絶地遺言(在船者遺言)
 簡単に解説したいと思います。

1.一般危急時遺言(死亡危急者遺言)について

 これは、生命の危険が急迫している場合に、通常の遺言の厳格な要件を満たすことが難しいことからこれを緩和するために定められているものです(民法976条)。
 例えば、病気で入院している人が今際の際に最期の言葉を遺す場合などに、証人が3人以上立ち会い、そのうち1人が遺言者の遺言を筆記し、各証人がその筆記が正確なことを承認し署名・押印することによって遺言とすることが可能です。
 作成日付については、書かなくても遺言が無効となることはありません。
 ただし、この遺言の方式の場合は、遺言の日から20日以内に証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求し確認を得ることが必要です。この確認によって効力が生じることになります。

2.難船危急時遺言(船舶遭難者遺言、難船臨終遺言)について

 これは、船舶が遭難した場合に、その船舶内で死亡が迫った者が証人2人以上の立ち会いで口頭により遺言をすることができるというものです(民法979条)。
 この遺言の方式の場合も、作成日付については書かなくても遺言が無効となることはありませんが、やはり証人が筆記をして署名・押印し、証人の1人または利害関係人から「遅滞なく」家庭裁判所に請求してその確認を得なければならないことになります。
 ただ、今にも沈む船の中で、お互いに遺言しあって生き延びた人が後日手続きを行う、ということを想定しているのでしょうか、なかなか実際にはイメージしにくい状況です。

3.一般隔絶地遺言(伝染病隔離者遺言)について

 これは、伝染病のための行政処分によって隔離された者が、警察官1人と証人1人以上の合計2名以上をもって作成することができるというものです(民法977条)。
 一応、条文上は「伝染病のため」となっていますが、刑務所内の者や洪水・地震等により事実上交通を断たれた場所にある者も含まれると解釈されているようです。

4.船舶隔絶地遺言(在船者遺言)について

 これは、船舶内にいる人が、船長又は事務員1人と証人2名以上の立ち会いをもって作成することができるというものです(民法978条)。
 船舶に関しては、航海に従事する船舶のみを指す、という説と、湖川航行の船舶を含む、とする説があるようです。
 また、条文上「在船中」という言葉は、船舶が航行している時だけではなく、停泊中でもよいと解釈されています。
 この方式の遺言をすることができる者は旅客と事務員(船長以外の船舶職員)とされています。船長は事前にしておきましょう、ということですね。
 ちなみに、飛行機の場合、短時間で隔絶状態が解消されるという理由からこの方式による遺言は認められていないようです(自筆証書遺言や一般危急時遺言などの方式は可能)。
 以上、ご参考になればと思います。