2015年3月15日日曜日

「建設業者」と「建設業を営む者」とは区別されて条文が構成されているという話

 建設業法には、「元請負人」とか「下請負人」という言葉がたくさん出てきて、少し混乱しがちなので、今回はこの辺の整理をしてみたいと思います。
まず、建設業法の条文から。
(定義)
第2条 この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。
2 この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。
3 この法律において「建設業者」とは、第3条第1項の許可を受けて建設業を営む者をいう。
4 この法律において「下請契約」とは、建設工事を他の者から請け負つた建設業を営む者と他の建設業を営む者との間で当該建設工事の全部又は一部について締結される請負契約をいう。
5 この法律において「発注者」とは、建設工事(他の者から請け負つたものを除く。)の注文者をいい、「元請負人」とは、下請契約における注文者で建設業者であるものをいい、「下請負人」とは、下請契約における請負人をいう。
 これを見ると、いわゆる一次下請業者も、二次下請業者との間では、「元請負人」となることになります。
 すなわち、施主さんがA、直接請け負った元請業者がB、一次下請業者がC、二次下請業者がD、三次下請業者がE、だとした場合に、CはBC間の契約では建設業法上の「下請負人」だけど、CD間の契約では建設業法上の「元請負人」になることになります。
 そして、建設業法上の「発注者」は施主のAのみをいうことになります。
 ただし、建設業法上は「建設業者」というのは許可業者のことを指す(上記3項)ので、建設業法上の「元請負人」としての規制は、許可業者のみに適用されることになります。逆に「下請負人」は、許可の有無に関係しないことにご注意ください。
 また、「下請契約」の定義では「建設業者」ではなく「建設業を営む者」となっていますので、こちらも許可の有無に関係なく建設業法の適用があることになります。
いろいろ考えられて条文が作られているんだな、と思いません?